プラスチック(樹脂)のダンベル試験片は熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂で作製します。
熱可塑性樹脂に関してはJIS K7152-1:プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第1部:通則並びに多目的試験片 及び短冊形試験片の成形で規定。
熱硬化性樹脂に関してはJIS K7154-1:プラスチック― 熱硬化性樹脂成形材料の射出成形試験片―第1部:通則及び多目的試験片の成形で規定。
樹脂は上記のように主に熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分類されます。
1.熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は樹脂を加熱し、軟化、溶融して加工、冷えることで固形化されます。
加熱と冷却により何度でも軟化⇔固体化の状態変化が可能なため、リサイクルが可能です。
日用品の容器などに多く利用されています。
熱可塑性樹脂の分類
1)汎用樹脂
汎用樹脂は比較的安価で加工が簡単なため、日常で多く使用されています。
例 PP、PE、PV、PS 等
用途例 プラスチック製品の8割、卓上用品、バケツ、家庭用品 等
2)エンジニアリングプラスチック
エンジニアリングプラスチックは強度に優れ、耐熱などの特定の機能が強化された樹脂です。
例 POM、PA、PC、m-PPE、PBT 等
用途例 電気製品の外装、自動車用品、自動車部品、合成繊維 等
3)スーパーエンジニアリングプラスチック
エンジニアリングプラスチックよりさらに優れた特性、機能の樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックです。
例 PPS、PSU、PES、PEEK、LCP 等
用途例 自動車エンジン回り部品、電子部品、航空機内装 等
2.熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂はその言葉の通り、加熱することで固体化する樹脂です。
ほとんどの樹脂は一度固体化した後に再度加工することはできませんが、機械的強度、耐薬品性、耐熱性に優れているため、自動車、工業用品などに多く利用されています。
3.多様な樹脂・特殊樹脂を、ダンベル試験片作製機で内製する
前述の通りダンベル試験片の樹脂は多岐に渡るため、特殊な高機能樹脂や樹脂を混合したり新しい樹脂を開発したりする場合、既製のダンベル試験片に在庫がなく入手に時間がかかったり、そもそも既製のダンベル試験片では対応できない事態が生じます。
そのような場合、ダンベル試験片を作製可能な専用機を用いて社内で内製する方法があります。
例えば弊社卓上作製機の場合、ダンベル試験片を作製可能な樹脂は以下の通りになり、1台で多様な樹脂に対応可能で、実際にダンベル試験片を自社で内製したいという企業様が導入されています。
スーパーエンプラ | PEEK、PPS(長繊維)、PPSU、PES、PSU、LCP |
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エンプラ | RENY、PA6、PA46、PA66、PA9T(長繊維)、POM、PC、PET、PBT、COP |
汎用樹脂 | PP、ABS、PS、PC/ABS、PE、PMMA |
その他の樹脂 | TPE(熱可塑性エラストマー)、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)、各種GFRTP、各種CFRTP、プラマグ、CIM |
エコプラスチック | CNF樹脂、バイオプラスチック、再生樹脂 |
射出速度は15mm/secが最高値になります。各樹脂での試験片作製の成形条件については弊社卓上作製機の最適な射出速度で製作しますが、規格サイズでの作製が可能です。
また、小形角板タイプD1(厚さ1mm)については作製できる樹脂が限定される場合があります。
実際に作製したダンベル試験片例
弊社の卓上作製機でダンベル試験片を内製するメリット
- 必要な時に必要な量だけ作製できる
- 規格準拠の安定した品質のダンベル試験片を作製できる
- 少量の樹脂から無駄を抑えて作製できる
- 汎用樹脂~スーパーエンプラ、エコプラスチックまで作製できる
- 小型で家庭用100V電源使用なので、場所を選ばず卓上で作製できる
- 金型の小型化により、金型作製・保管・メンテナンスの手間やコストを抑えることができる
- 70ccまで吐出でき、ダンベル試験片以外の大小様々な形状を作製することが可能