研究開発、製品開発時に材料の特性、品質を評価するため、標準規格の一般的な物性試験用のプラスチック片、金属片、ゴム片のことを試験片といいます。
その中でも主に引張試験で使用される、両端に「つかみ」部分のあるものをダンベル(形状)試験片といいます。
多くの一般的な物性試験に使用できるため、JIS多目的試験片、ISO多目的試験片とも呼ばれます。
1.主な試験片の標準規格
1)ISO規格
国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定める国際的な基準。
製品、サービスやマネジメントシステムを対象とする規格があり、国際取引をスムーズにするために製品・サービスついて、同じ品質を提供できるようにするための基準です。
試験片については試験方法や作製方法、寸法、形状などが定められています。
2)JIS規格
日本の国家規格、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)です。
ISO規格を元に翻訳し、日本特有だった部分についての修正を行って対応しています。
一部を除き、JIS規格を守っていれば、ISO規格に適合するようになっています。
試験片については、ISO規格とJIS規格はすでに整合性が図られており、日本国内ではJIS規格の試験が一般的です。
3)ASTM規格
米国試験材料協会(ASTM International)によって策定される、材料、製品、システム、品質、安全性、性能に関する技術的基準のことです。
ISO規格(JIS規格)とASMT規格では試験片形状や試験方法について差異があります。
様々な物性試験に対応する試験片について、定められた作製方法、寸法、形状、試験方法がそれぞれ規定されています。試験の際には規定された試験片を提供する必要があります。
2.主なダンベル試験片の種類
- 金属
2号、4号、5号、8号、12号、13号 - プラスチック
JIS K 7139多目的試験片タイプA - ゴム
1号、2号、3号、5号、6号、7号、8号